糖質制限ダイエットは危険なのか？危険派の主張まとめと反論

パンやご飯などの主食となる炭水化物、甘い物などの砂糖といった糖質を制限するだけの糖質制限ダイエットですが、その危険性を訴える人もいます。実践していてダイエット効果を実感している私としても、危険があるかどうかは気になるところなので、調べてみました。

糖質制限ダイエットは危険派の主張

糖質制限ダイエットは危険と主張する人たちにも、様々な説があります。いくつかまとめてみました。

①主食であるパン、ごはんを抜いたら力がでない、頭が回らないという説

パンやご飯は主食で、炭水化物を抜いたら必要な栄養素が足りずに危険だ！という説です。この説に関しては、私は間違いであると考えています。基本的にこの説は炭水化物を抜くと、ブドウ糖が作れず、体や脳の栄養源がなくなるという前提に立っています。しかし、人体はブドウ糖がなくなっても、脂肪からケトン体というエネルギー源を生成することができるのです。そうでなければ飢餓状態になったときに体に蓄えた脂肪をエネルギー源として生きて行くことができないでしょう。この説は現代の良いとされている栄養学を鵜呑みにしてしまっている気がします。

②糖質制限を続けた人が死亡リスクが高まるという研究結果があるとする説

①のような糖質制限ダイエットの本質というか、仕組みをよく理解せずに「危険だ！」と主張する説と違い、実証研究の結果として、糖質制限を続けた人の死亡リスクが高まったとする説です。詳細はこちら。http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/019641.php

ざっくり言うと、過去に行われた実証研究論文の９本をまとめて、統計解析してみた結果、糖質制限は死亡リスクを高めているという結論に至ったという論文です。これに関しては糖質制限ダイエットの第一人者である江部康二先生が「医療の巨大転換を加速する糖質制限食と湿潤療法のインパクト」という本で反論をしています。

 

「こういうのを見ると、明らかにどこかで世論を操作しようとしている人がいると考えるしかない。

意図が怪しいんですよ。

メタ解析での論文選択がおかしく、データ全体の信用度が低くなっているんです。
世界的に正しいと評価されている論文と、批判が多数寄せられていて評価の低い論文を一括りにして、メタ解析している論文なんですからね。

９つのうちには世界的に有名な論文が含まれていて、いずれも糖質制限に肯定的な結論を出しているんです。
その一方で、非常にレベルの低い問題の多い論文のほうは糖質制限に否定的な結論を出している。

普通に考えれば、メタ解析なんかする意味はなく、別々に評価すれば十分です。

つまり、糖質制限の効果と安全性にはエビデンスがあるが、否定するほうにはエビデンスとなるほど信用のおける論文はないという判断が下せるんですから、メタ解析する意図を疑うのは当然です。」

細かい部分まで論文を見ているわけではないですが、江部先生の言うように結果に信頼のおけない論文を多数いれて結果を捻じ曲げているようであれば、そもそもの論文の根拠がなくなりますね。私も大学の頃、統計分析をしたことがあり、恣意的にデータを選びさえすれば結果を捻じ曲げることが可能であることは実感しているので、この主張はわかります。

本当に危険性はないの？

短期的な糖質制限ダイエットの危険性はないと言われています。もちろん食事の変化による体調変化はありますが、数ヶ月程度であれば問題ないでしょう。長期的な影響についてはまだまだ研究段階で、確たる結論はないようです。ただ、実際に長期的に糖質制限を行っている人はたくさんいます。わかりやすいのは糖尿病患者の人です。強制的に糖質制限せざるを得ない人々が一定数いるので、明らかに危険！というレベルでは危険性はないのではないでしょうか？

私個人としては、糖質制限を始めてから前向きになったり、元気が出てきたり、プラスの面が大きいので続けていこうと思っています。もし糖質制限ダイエットを始めようと思いつつも、危険性が気になって躊躇されている方は、短期的には危険性がないと言われているので、ちょっと試してみてはいかがでしょうか？３ヶ月程度でもダイエット効果は十分ありますし、問題ないようであればそのまま続けてみるといいと思います。